軽度知的障害生徒における自己理解の支援に関する実証的研究

軽度知的障害生徒における自己理解の支援に関する実証的研究

著|伊藤佐奈美
定価6,820円(6,200円+税)
在庫:あり
仕様:A5判上製
ページ数:178
ISBN:978-4-434-26341-5
発行日:2019/09/08
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summary
   

障害者の自己決定の必要性が論じられる中、知的障害者の自己決定支援は必要とされながらも十分な実践がなされてこなかった現状がある。特に、就労を目指す比較的軽度な知的障害者に対する自己決定、自己理解支援の在り方に関する研究は、社会的な課題としてニーズが高いものである。本書では、特別支援学校高等部に在籍する生徒における青年期教育の重要性を提起し、「自己理解」の内容を扱った指導実践を行い、その成果を検討している。

contents
  • まえがき
  • 図表目次
序 章 研究の目的及び方法
  • 1 はじめに
  • 2 研究の目的
  • 3 研究の方法
第1章 研究の背景
  • 1. 1 知的障害者の自立と自己決定の考え方
  • 1. 2 知的障害者に対する自己決定支援と自己理解
    1. 1. 2. 1 自己決定支援を行う支援者の関わりの在り方
    2. 1. 2. 2 自己決定のための知的障害者自身の「学習」に関する知見
    3. 1. 2. 3 軽度知的障害生徒の「自己理解」とは
  • 1. 3 特別支援学校高等部における軽度知的障害生徒の青年期教育としての「自己理解」支援の必要性
  • 1. 4 特別支援学校高等部在籍生徒数の増加による教育上の課題
  • 1. 5 特別支援学校高等部における軽度知的障害生徒に対する職業教育の現状
第2章 知的障害児童生徒に対する教師の意識
-インクルーシブ教育に関する調査結果をもとに-
  • 2. 1 調査の背景と目的
  • 2. 2 調査方法
    1. 2. 2. 1 調査の時期及び対象
    2. 2. 2. 2 調査の内容
  • 2. 3 調査結果
    1. 2. 3. 1 障害区分ごとの受入れに対する意識
      1. 2. 3. 1. 1 小・中学校教師の意識
      2. 2. 3. 1. 2 高等学校特別支援教育コーディネーターの意識
      3. 2. 3. 1. 3 特別支援学校教師の意識
    2. 2. 3. 2 知的障害のある子どもを受入れる際の問題点
  • 2. 4 まとめ
第3章 学校不適応を示す生徒の自己理解の過程
  • 3. 1 事例研究の背景及び目的・方法
  • 3. 2 事例提示
    1. 3. 2. 1 事例1
    2. 3. 2. 2 事例2
  • 3. 3 総合考察
    1. 3. 3. 1 事例を通して確認した軽度知的障害生徒への対応
    2. 3. 3. 2 軽度知的障害生徒の障害受容・自己理解
    3. 3. 3. 3 軽度知的障害生徒への指導・支援の在り方
第4章 軽度知的障害生徒の学校生活に関する意識
-特別支援学校高等部における質問紙調査をもとに-
  • 4. 1 問題の背景及び所在
  • 4. 2 調査の目的
  • 4. 3 意識調査の対象及び内容・方法
    1. 4. 3. 1 調査対象
    2. 4. 3. 2 調査内容・方法
  • 4. 4 結果と考察
    1. 4. 4. 1 進路決定について
    2. 4. 4. 2 学校生活における目標設定について
    3. 4. 4. 3 入学後の満足度
    4. 4. 4. 4 特別支援学校高等部で役に立った授業
  • 4. 5 総合考察
    1. 4. 5. 1 就学先の自己決定の状況と高等部入学前の在籍学級が学校適応に及ぼす影響
    2. 4. 5. 2 目標設定から見た学校生活への適応
    3. 4. 5. 3 満足度の回答から見た学校生活への適応
    4. 4. 5. 4 特別支援学校高等部における指導の在り方
  • 4. 6 今後の課題
第5章 教科「職業」を中心とした自己理解を促す指導方法の検討
-特別支援学校高等部における実践研究-
  • 5. 1 問題提起
  • 5. 2 先行研究及び本章の目的
  • 5. 3 方法
    1. 5. 3. 1 対象
    2. 5. 3. 2 内容及び方法
      1. 5. 3. 2. 1 学校生活に対する意識調査
      2. 5. 3. 2. 2 生活面・作業面における自己評価及び他者評価
      3. 5. 3. 2. 3 「わたしの取扱説明書」
      4. 5. 3. 2. 4 コミュニケーションの力との関連
  • 5. 4 結果と考察
    1.  5. 4. 1 学校生活に対する意識調査
      1. 5. 4. 1. 1 就学先の決定
      2. 5. 4. 1. 2 学校生活における目標設定
      3. 5. 4. 1. 3 学校生活における生徒の満足度
    2. 5. 4. 2 生活面・作業面における評価 
    3. 5. 4. 3 「わたしの取扱説明書」
    4. 5. 4. 4 コミュニケーションの力との関連についての検討
  • 5. 5 総合考察
    1. 5. 5. 1 知的障害者にとっての自己理解の学習
    2. 5. 5. 2 自己の課題(目標)設定の変化
    3. 5. 5. 3 他者(教師)評価と自己評価実施の効果
    4. 5. 5. 4 自己理解の指導内容・方法
終 章 軽度知的障害生徒の自己理解とその支援に関する総合考察
  • 6. 1 知的障害者の自己決定過程における「自己理解」の位置づけ
  • 6. 2 知的障害生徒の自己理解とその支援の在り方
  • 6. 3 特別支援学校高等部における青年期教育の重要性
  • 6. 4 知的障害者への理解と知的障害教育への意識
  • 6. 5 まとめと今後の課題
  • 資 料
    1. 資料−1 学校種別に見た職業教育に関わる指導内容(集団指導)原田2009,p.64より)
    2. 資料−2 軽度知的障害生徒に対する授業で取り上げるものと指導が難しいもの(井上2012,p.65より)
    3. 資料−3 インクルーシブ教育に関するアンケート
    4. 資料−4 学校生活に対する意識調査(第4章及び第5章6月実施)
    5. 資料−5 学校生活に対する意識調査(第5章2月実施)
    6. 資料−6 生活面・作業面における評価アンケート(生徒用)
    7. 資料−7 生活面・作業面における評価表(教師用)
    8. 資料−8 学習プリント(自己分析をしよう)
  • 引用・参考文献
  • あとがき
introduction
伊藤佐奈美(いとう さなみ)

中部大学現代教育学部准教授、博士(教育学)(愛知教育大学及び静岡大学)

【主な著書】

※発行時の奥付より
grant

中部大学出版助成交付による出版

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