体操科における「運動技術」指導をめぐる問題

体操科における「運動技術」指導をめぐる問題

著|藤川和俊
定価2,420円(2,200円+税)
在庫:あり
仕様:A5判上製
ページ数:232
ISBN:978-4-434-27362-9
発行日:2020/04/19
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summary
   

日本の体操科では、「学校体操教授要目」等で批判されていたにもかかわらず「技術の末に走る」傾向が強かった。この問題は現代の体育科と少なからず共通点を有しており、これからの体育科教育を考えるうえでも重要な意味をもつ。本書は、1920-40年の体操科を対象として、「技術の末に走る」という批判の内容や要因を明らかにしつつ、当時の理論家や授業者が「運動技術」指導をめぐる問題にどのように取り組んでいたのかを検討、考察した。

contents
  • はじめに
序 章
  • 第一節 問題の所在と研究の目的
  • 第二節 研究対象としての「運動技術」
  • 第三節 先行研究の検討
  • 第四節 研究の課題
    1. 第一項 研究の意義
    2. 第二項 研究の課題
  • 第五節 研究の方法
    1. 第一項 史料
    2. 第二項 対象
      1. 一、人物
      2. 二、時期
    3. 第三項 論述の手順
第一章 要目調査委員の体育論にみる「運動技術」指導をめぐる問題
  • 第一節 大谷武一の体育論にみる「運動技術」指導をめぐる問題
    1. 第一項 「技術の末に走る」という批判の射程
    2. 第二項 「運動技術」指導における理論と実践の乖離
      1. 一、指導の「経過」に関する問題
      2. 二、指導の「様式」に関する問題
    3. 第三項 「技術の末に走る」要因
      1. 一、現場に存在した問題
      2. 二、大谷の体育論に存在した限界
      3. 三、「運動技術」の有用性
  • 第二節 二宮文右衛門の体育論にみる「運動技術」指導をめぐる問題
    1. 第一項 「技術の末に走る」という批判の射程
    2. 第二項 「運動技術」指導における理論と実践の乖離
      1. 一、「教材配合」に関する問題
      2. 二、教材選択に関する問題
      3. 三、指導の「経過」に関する問題
      4. 四、指導の「様式」に関する問題
    3. 第三項 「技術の末に走る」要因
      1. 一、現場に存在した問題
      2. 二、 二宮の体育論に存在した限界
      3. 三、「運動技術」の有用性
  • 小 括
第二章 篠原助市に依拠した体育論における「運動技術」
  • 第一節 篠崎謙次の体育論における「運動技術」と人格陶冶
    1. 第一項 「運動技術」と人格陶冶の関係
    2. 第二項 人格陶冶に寄与する「運動技術」習得の考え方
      1. 一、運動に対する要求の喚起
      2. 二、「意志動作」
    3. 第三項 指導法への反映
      1. 一、要求喚起の方法
      2. 二、「意志動作」の反映
  • 第二節 浅井浅一の体育論における「運動技術」と意志の教育
    1. 第一項 「運動技術」への意義づけ
      1. 一、篠原助市の体育論に対する認識
      2. 二、篠原の体育論と「運動技術」との接点
      3. 三、「運動技術」習得における意志の把握
    2. 第二項 意志の教育としての「運動技術」習得
      1. 一、興味
      2. 二、模倣
      3. 三、創造
      4. 四、熟練
    3. 第三項 指導法への反映
      1. 一、器械体操
      2. 二、徒手体操
      3. 三、球技
  • 小 括
第三章 東京高等師範学校附属小学校における 「運動技術」 指導
  • 第一節 齋藤薫雄の体操科実践における「運動技術」指導
    1. 第一項 齋藤薫雄の体育観
    2. 第二項 「技術の末に走る」という批判に対する見解
      1. 一、「自然的方法」に基づく要求
      2. 二、練習回数の重視
    3. 第三項 体操科実践における「運動技術」指導
      1. 一、尋常科三、四年生の実践
      2. 二、尋常科五、六年生の実践
  • 第二節 中島海の体操科実践における「運動技術」指導
    1. 第一項 中島海の体育観
    2. 第二項 「技術の末に走る」という批判に対する見解
      1. 一、学年の考慮
      2. 二、能力差への対応
    3. 第三項 体操科実践における「運動技術」指導
      1. 一、一九三二年一〇月一〇日、尋常科五、六年生男子の実践
      2. 二、一九三五年一〇月五日、尋常科五年生男子の実践
  • 小 括
終 章
  • 第一節 本研究の総合的考察
    1. 第一項 「技術の末に走る」という批判の内容
    2. 第二項 「技術の末に走る」要因
    3. 第三項 篠原助市に依拠した体育論と「技術の末に走る」という批判
    4. 第四項 東京高等師範学校附属小学校における「運動技術」指導
    5. 第五項 一九二〇―四〇年の体操科における成果と課題
      1. 一、成果
      2. 二、課題
      3. 三、体操科に内在した問題
  • 第二節 現代の体育科教育への示唆
  • 第三節 今後の課題
  • あとがき
  • 史料
  • 引用・参考文献
  • 索引
introduction
藤川和俊(ふじかわ かずとし)

帝京平成大学現代ライフ学部助教、博士(教育学)。東京学芸大学教育学部卒業、東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)修了。

※発行時の奥付より
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