地域社会を調査するということ

地域社会を調査するということ

―地域社会/地域福祉調査法―

著|平川毅彦
定価2,200円(2,000円+税)
在庫:あり
仕様:A5判並製
ページ数:232
ISBN:978-4-434-31426-1
発行日:2023/07/23
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summary
   

本書は、著者が大学で毎年担当してきた社会調査に関する講義ノート、及び地域を軸として行ってきた調査研究結果をまとめたものである。調査設計の基本(テーマ設定から母集団の確定、四つの測定尺度に基づく調査票作成及び配布回収、分析方法)の概要について検討した後、個々の調査研究成果を振り返る。調査対象としては町内会から定年退職者、重度身体障害者、外国人労働者、学生・生徒、更に一般市民を対象とした中心市街地等々と多岐に渡っている。しかし、「地域社会」に足場を置いている点では一貫している。また、地域社会調査の理論的背景についての論考も収めた。日常生活の場としての地域社会は、誰もが「人生の主人公」として、「あたりまえの生活」を営むために必要なのであり、その実現に向けた客観的なデータ収集・分析手法を「自家薬籠中の物」にすること、それが「地域社会を調査するということ」の意味なのである。

contents
序章 調査対象としての地域社会と方法
  • 1.はじめに
  • 2.調査設計と測定尺度
  • 3.データ分析
  • 4.全体の構成
第1章 都市周辺部における地域住民組織と権力構造
 ―札幌市郊外S連合町内会を事例として―
  • 1.問題の所在
  • 2.人口急増と地域住民組織
  • 3.連合町内会と地域リーダー層
  • 4.まとめ
第2章 定年退職者の「職業」生活史と「地域社会」
 ―愛知県知多半島地域における調査データを用いて―
  • 1.はじめに
  • 2.大府市における事例と「地域社会」の特徴
  • 3.半田市における事例と「地域社会」の特徴
  • 4.まとめと課題
第3章 重度身体障害者の「自立生活構造」と「地域社会」の課題
 ―名古屋における調査データを通じて―
  • 1.はじめに
  • 2.重度身体障害者の「自立生活構造」
  • 3.生活時間配分構造の諸特徴
  • 4.「地域社会」の課題
  • 5.おわりに
第4章 愛知県岡崎市における重度身体障害者の生活史と「地域社会」
  • 1.はじめに
  • 2.重度身体障害者の「地域」生活史①:30歳代未婚男性の二事例
  • 3.重度身体障害者の「地域」生活史②:40歳代既婚者の三事例
  • 4.考察と課題
第5章 愛知県岡崎地区における日系人労働者の生活構造と「地域社会」
 ―アンケート調査データを中心として―
  • 1.はじめに ―問題の所在と調査の概要―
  • 2.回答者の属性とその特徴
  • 3.回答者の生活構造 ―仕事と日常生活―
  • 4.回答者の生活課題 ―将来設計とコミュニケーション―
  • 5.まとめと課題
第6章 社会福祉学専攻新入学生の変化と連続
 ―愛知県立大学文学部社会福祉学科における時系列調査データ(1996~2000年)をもとに―
  • 1.はじめに
  • 2.基本属性から見た特徴
  • 3.入学の動機と資格・就職志向
  • 4.まとめにかえて
第7章 「元気高齢者」準備段階世代の地域生活と生きがい
 ―新潟市中央区住民調査結果から―
  • 1.はじめに
  • 2.調査方法及び回答者の属性
  • 3.不安、生きがい、そして地域生活
  • 4.まとめと課題
第8章 高校生の余暇・購買行動と中心市街地の課題
 ―新潟青陵高等学校2年次生徒へのアンケート調査結果から―
  • 1.はじめに
  • 2.調査の概要と対象者の属性
  • 3.休日の外出先・目的及び手段
  • 4.中心市街地の利用・非利用と「魅力度」
  • 5.まとめ
第9章 新潟市における中心市街地の魅力と課題
 ―市民対象アンケート調査データを中心として―
  • 1.はじめに
  • 2.調査の概要
  • 3.中心市街地の魅力度と利用者層
  • 4.今後の課題
第10章 ノーマライゼーション概念の展開と課題
 (地域社会調査の理論的背景1)
  • 1.はじめに
  • 2.Bank-Mikkelsenによるノーマライゼーション理念の形成
  • 3.Nirjeによるノーマライゼーション原理の形成
  • 4.Wolfensbergerによる理論化と対象の拡大
  • 5.「ソーシャル・ロール・バロリゼーション」と逸脱性
  • 6.ノーマライゼーション概念の課題
第11章 コミュニティ・ビジネス概念の再検討
 (地域社会調査の理論的背景2)
  • 1.はじめに:細内による「コミュニティ・ビジネス」概念の構築と課題
  • 2.MacIverによる「コミュニティ」定義の理論的背景:社会化と個性化(個別化)
  • 3.MacIverとPageによるコミュニティ定義:地域性と地域社会感情
  • 4.「望ましい地域社会類型」としてのコミュニティ
  • 5.「社会関係の主体的側面」に基づく「福祉コミュニティ」
  • 6.コミュニティ・ビジネスが目指す「コミュニティ」
  • 7.まとめと課題:地域的近接性とコミュニティ・ビジネス
introduction
平川毅彦(ひらかわ たけひこ)

新潟青陵大学福祉心理子ども学部社会福祉学科教授・図書館長。博士(人間文化 名古屋市立大学大学院人間文化研究科)。専攻:地域社会学・社会福祉論・社会調査法(専門社会調査士)。

【主な著書】

※発行時の奥付より
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