現代アメリカ経済 年代記 超大国の誕生――1900年~1950年

現代アメリカ経済 年代記

超大国の誕生――1900年~1950年

著|中村甚五郎
定価4,180円(3,800円+税)
在庫:あり
仕様:A5判並製
ページ数:822
ISBN:978-4-434-32081-1
発行日:2023/06/27
フォームから注文する
summary
   

アメリカ超大国の誕生を鉄道・自動車・建設などの工業的発展に焦点をあて、20世紀前半の50年間を年代記風に逐一論じた。何本もの大陸横断鉄道は鉄道産業の大発展をもたらし、20世紀初めに相次いで巨大な鉄道独占体が形成され、同じ頃、鉄鋼・石油などにも独占的トラストが誕生して、独占資本主義の骨格がいち早く成立した。20世紀の10年代に足場を築いた自動車産業は20年代には鉄道産業をしのぐ大産業に発展し、後半にはGM、フォード、クライスラーのビッグスリーが出揃った。20年代後半の自動車生産の過剰は、1929年に端を発する30年代大恐慌の一因になった。1933年に始まる恐慌脱出のニューディール救済策は資本主義の生き残りを懸けた国家資本主義の萌芽となった。一転して40年代の大発展は戦争特需と復興の再建特需に基づく外在的要因が行き詰まった資本主義を救済した。現在のアメリカを理解するために、20世紀前半の政治・経済の出来事を丹念に追っている。

contents
第1章 1900年代 工業と農業の拮抗
  • 第1節 ― 1900 年 景気停滞 金本位制度成立
  • 第2節 ― 1901 年 景気拡大 U. S. スチール誕生
  • 第3節 ― 1902 年 好況拡大 ローズヴェルトの反トラスト政策
  • 第4節 ― 1903 年 景気減速 ライト兄弟が動力飛行に成功
  • 第5節 ― 1904 年 不況 セオドア・ローズヴェルト大統領 再選
  • 第6節 ― 1905 年 景気拡大 最高裁、労働時間規制法に違憲判決
  • 第7節 ― 1906 年 好況持続 純正食品・薬剤法 制定
  • 第8節 ― 1907 年 景気後退 貨幣恐慌
  • 第9節 ― 1908 年 深刻な不況 GM 自動車会社 設立
  • 第10節 ― 1909 年 景気回復 憲法修正第16 条(所得税)成立
第2章 1910年代 戦争経済で工業の大躍進
  • 第1節 ― 1910 年 景気停滞 モリスプラン銀行 設立
  • 第2節 ― 1911 年 景気低迷 最高裁、石油トラストに解体判決
  • 第3節 ― 1912 年 成長加速 ウィルソン、大統領に当選
  • 第4節 ― 1913 年 好況減速 連邦準備制度 設立
  • 第5節 ― 1914 年 不況 第1 次世界大戦 勃発
  • 第6節 ― 1915 年 景気回復 戦争特需 始まる
  • 第7節 ― 1916 年 戦争特需 アダムソン8 時間法制定
  • 第8節 ― 1917 年 大戦に参戦 インフレ加速
  • 第9節 ― 1918 年 大戦に勝利 雇用逼迫
  • 第10節 ― 1919 年 景気停滞 債権国に転換
第3章 1920年代 自立的な経済成長
  • 第1節 ― 1920 年 景気の分水嶺 生産停滞
  • 第2節 ― 1921 年 深刻な不況 ハーディング、大統領に就任
  • 第3節 ― 1922 年 景気回復 保護関税法 制定
  • 第4節 ― 1923 年 新しい好況 クーリッジ、大統領に昇格
  • 第5節 ― 1924 年 軽い景気後退 新移民割当法 制定
  • 第6節 ― 1925 年 好況の復活 進化論 裁判
  • 第7節 ― 1926 年 好況の息切れ フォード社、週5 日制採用
  • 第8節 ― 1927 年 景気後退 リンドバーグ、大西洋横断飛行
  • 第9節 ― 1928 年 景気回復の歪み フーヴァー、大統領に当選
  • 第10節 ― 1929 年 好況 ニューヨーク株式市場 大崩落
第4章 1930年代 ニューディールで恐慌から脱出
  • 第1節 ― 1930 年 全般的恐慌に突入 保護関税法 制定
  • 第2節 ― 1931 年 恐慌さらに深化 失業者 首都で飢餓行進
  • 第3節 ― 1932 年 大恐慌の大底 フランクリン・ローズヴェルト、大統領に当選
  • 第4節 ― 1933 年 銀行恐慌 ニューディール 始まる
  • 第5節 ― 1934 年 景気回復 恐慌脱出
  • 第6節 ― 1935 年 成長持続 社会改革 前進
  • 第7節 ― 1936 年 景気回復 加速 ローズヴェルト大統領 再選
  • 第8節 ― 1937 年 好況ピーク 最高裁、社会保障法に合憲判決
  • 第9節 ― 1938 年 景気後退 公正労働基準法 制定
  • 第10節 ― 1939 年 景気回復 第2 次世界大戦 勃発
第5章 1940年代 世界戦争の時代
  • 第1節 ― 1940 年 好況 準戦時体制
  • 第2節 ― 1941 年 好況 加速 日・独・伊に宣戦布告
  • 第3節 ― 1942 年 経済成長 最大 戦争経済へ突進
  • 第4節 ― 1943 年 戦時経済の頂点 戦局の転換
  • 第5節 ― 1944 年 戦時経済の行き詰り 労働力不足
  • 第6節 ― 1945 年 大戦に勝利 平時経済へ転換
  • 第7節 ― 1946 年 景気停滞 冷戦 始まる
  • 第8節 ― 1947 年 インフレ下の活況 マーシャル・プラン
  • 第9節 ― 1948 年 戦後回復のピーク ベルリン大空輸作戦
  • 第10節 ― 1949 年 景気後退 北大西洋条約機構(NATO)
  • 第11節 ― 1950 年 景気回復 朝鮮戦争 勃発
  • 主要参考文献
  • あとがき
introduction
中村甚五郎(なかむら じんごろう)

元東京都立高等学校教員(世界史)。中央大学法学部卒業、明治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了(アメリカ経済専攻)。

【主な著書】

※発行時の奥付より
binding