概要
summary
ベクトルと微積を用いて、ニュートンの運動方程式から、高校・大学で学ぶ力学の基本法則をすべて導出する。物体の運動をさまざまな切口で見る例題により、運動法則が根底から理解できる。入試問題を軸とする例題展開により、力学の視界が開けることが示される。最終章では高校と大学で学ぶ基礎力学エッセンシャルの全体的まとめを万有引力から出発する人工衛星の例題を通して行う。「質量」の物理である力学が地球内部、地上、宇宙空間まで成り立っていることが理解できる。
すべての章の記述は、運動方程式をベクトルで考え、微積で解くことを明確にしながら、初学者でも無理なく読み進められるように書かれている。
目次
contents
- はじめに
1 ベクトルとスカラー
- 1.1 ベクトルとスカラー
- 1.2 ベクトルの図示
- 1.3 ベクトルの成分表示
- 1.4 ベクトルの和
- 1.5 ベクトルの差
- 1.6 スカラ一積(内積)
- 1.7 ベクトル積(外積)
2 速度と加速度
- 2.1 速度
- 2.2 変位ベクトル と経路ベクトル
- 2.3 速度の合成
- 2.4 相対速度
- 2.5 加速度
- 2.6 加速度の接線成分と法線成分
- 2.7 2次元極座標
3 力の表し方
- 3.1 力の表し方
- 3.2 力のつりあい
- 3.3 力の合成と分解
- 3.4 いろいろな力
- 3.5 作用・反作用の関係にある2力
4 運動の法則
- 4.1 ニユートンの運動の3法則
- 4.2 運動方程式の積分(1)
- 4,3 運動方程式の積分(2)
- 4.4 運動方程式の積分(3)
- 基本的物理量のまとめ
5 いろいろな運動
- 5.1 運動方程式のたて方
- 5.2 重力のもとでの運動
- 5.3 単振動
- 5.4 等速円運動
6 力学的エネルギー
- 6.1 仕事
- 6.2 保存力とポテンシャル・エネルギー
- 6.3 力学的エネルギー保存の法則
- 6.4 非保存力の仕事と力学的エネルギー
7 運動量と力積
- 7.1 運動量と力積
- 7.2 運動量保存の法則
8 角運動量と回転運動
- 8.1 角運動量保存の法則
- 8.2 回転運動の運動方程式
- 8.3 面積速度
9 非慣性系と見かけの力
- 9.1 並進座標系と見かけの力(慣性力)
- 9.2 回転座標系と見かけの力(遠心力, コリオリの力)
10 物体(質点)系から剛体へ
- 10.1 2物体(質点)系の運動方程式
- 10.2 2物体(質点)系の重心(質量中心)
- 10.3 2物体(質点)系の回転運動の運動方程式
- 10.4 剛体の重心(質量中心)
- 10.5 剛体のつりあい
- 10.6 固定軸をもつ剛体の回転運動
11 例題展開
- 例題展開11.0 放物運動の飛行時間
- 例題展開11.1 地球に掘ったトンネル内のボールの運動
- 例題展開11.2 板の上をすべる物体の運動
- 例題展開11.3 床上の台にばねでつながれた物体の運動
- 例題展開11.4 あらい面上で振動する物体の運動
- 例題展開11.5 斜面上をすべり降りる物体の運動
- 例題展開11.6 斜面上をころがり落ちる物体の運動
12 例題総合
- 例題総合12.1 ポテンシャル・エネルギーから万有引力を導く
- 例題総合12.2 第2宇宙速度
- 例題総合12.3 重力による位置エネルギー
- 例題総合12.4 第1宇宙速度
- 例題総合12.5 人工衛星の軌道修正
- 例題総合12.6 万有引力とクーロン力の比較
- 例題総合12.7 電場中の電子の運動
- エピローグ 質量と電荷の謎
著者紹介
introduction
装丁
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