基礎経営学 ―多様性と持続可能性の視点で考える―

基礎経営学

―多様性と持続可能性の視点で考える―

著|安藤信雄
定価2,970円(2,700円+税)
在庫:あり
仕様:A5判並製
ページ数:264
ISBN:978-4-434-35428-1
発行日:2025/03/26
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summary
   

本書は、経営学の基本エッセンスを理解するための入門書である。初学者向けに各理論をその原理から丁寧に説明することを心掛けた。また、今日的課題である多様性および持続可能性と企業活動との対立点から克服方法まで論じた。
経営学の歴史は大量生産による大量消費社会の形成の歴史でもある。その歴史に沿って生産の仕組みを解説していく。それに伴って大量生産方式が人間的労働を失わせていく側面も考察していく。
一方、生産性を追求する中で人間労働が機械に置き換わっていくのをみながら、生産活動が人間による創造的労働と、機械による生産へと分化していくのを考察する。その歴史からこの先、労働が人間にとって魅力的で幸福をもたらすものになるには、どのようなあり方が可能なのか推論していく。人間は自然の一部であるので、ハーマンの定常経済論を応用しながら労働の質の多様性と物質循環型経済で持続可能な「経済発展」を実現する可能性を示す。

contents
  • はじめに
第1章 科学としての経営学
  • 1.経営学を学ぶということは
  • 2.学問とは
  • 3.高校までの学びと大学からの学び
  • 4.大学以降の教育
  • 5.学問で使われる科学的手法=「帰納法と演繹法」
  • 6.社会科学の特徴
  • 7.経営学の対象
第2章 富の生産力と分業
  • 1.富と豊かさとは何か
  • 2.集団によって生き残ってきた人類
  • 3.「生産力」とは何か
  • 4.分業論の起源
  • 5.バベッジの分業論
  • 6.経済学と経営学の違いについて
第3章 生産活動の本質
  • 1.生産の本質としての情報創造と情報移転
  • 2.生産の2段階説
  • 3.希少性とは労働能力である
  • 4.大量生産の起源:図面による生産活動
第4章 利益と費用、収穫逓減の法則
  • 1.利益について
  • 2.損益分岐点分析(変動費の増え方が一定の場合)
  • 3.費用便益モデル(変動費の増え方が変化する場合)
  • 4.費用便益モデルの解説
  • 5.収穫逓減の法則
  • 6.市場での販売価格が変化する場合
  • 7.可変費用を変化させないためには
第5章 比較優位論と生産性
  • 1.比較優位論
  • 2.社会的分業と工程間分業の社会的意義
  • 3.分業から生産性へ
  • 4.分業による組織の大規模化と収穫逓減
第6章 生産性と作業の合理化、集団の管理
  • 1.希少性をなくそうとする努力
  • 2.科学的管理法
  • 3.フォード・システム
  • 4.ファヨール
  • 5.マックス・ウェーバーの官僚制組織論
  • 6.官僚制の逆機能
  • 7.官僚制の逆機能の克服方法に関する研究
第7章 標準化
  • 1.生産力の源泉としての標準化
  • 2.標準化の誕生と歴史
  • 3.標準化の起源と互換性の発明
  • 4.標準化の類型
  • 5.標準化と市場競争
  • 6.ゲーム市場におけるロック・イン
第8章 人間の発見(ホーソン実験と統合理論)
  • 1.ホーソン実験(Hawthorne experiments)
  • 2.メアリー・P・フォレットの「状況の法則による統合」理論
  • 3.ホーソン実験以降の経営学の発展
第9章 トヨタ生産方式
  • 1.フォード生産方式からトヨタ生産方式への進化
  • 2.低成長時代のシステムを目指したトヨタ生産方式
  • 3.生産における「流れ」
  • 4.外圧から生まれた「ジャスト・イン・タイム」
  • 5.「ジャスト・イン・タイム」を実現する「かんばん」
  • 6.平準化
  • 7.標準作業表の作成
  • 8.自働化
  • 9.多能工化
  • 10.「多能工」の本質
  • 11.チームによる助け合いと相互監視
  • 12.QCサークル活動
  • 13.トヨタにおける「人間性の尊重」
  • 14.トヨタ生産方式の課題
第10章 トヨタ生産方式の発展型
  • 1.セル生産方式
  • 2.一人生産方式
  • 3.一人生産方式の問題点と標準化
  • 4.1個づくり方式
  • 5.科学的管理法から1個づくり方式までのまとめ
第11章 モチベーション理論
  • 1.人間の行動を科学する
  • 2.5段階欲求説
  • 3.パーソナリティの発達
  • 4.ERG理論
  • 5.二要因説
  • 6.達成動機説
  • 7.X理論・Y理論
  • 8.モチベーション理論の比較
  • 9.過程理論
  • 10.労働の人間化
第12章 経営戦略論
  • 1.経営戦略の成り立ち
  • 2.製品-市場ミックス論
  • 3.SWOT分析
  • 4.プロダクト・サイクル論
  • 5.プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
  • 6.時代の変化と戦略論
  • 7.競争戦略論
  • 8.資源ベース理論(Resource-Based View: RBV)
  • 9.コア・コンピタンスとケイパビリティ
  • 10.戦略論の新しい視点
  • 11.ミンツバーグの創発戦略
第13章 イノベーションによる企業成長と経営理論
  • 1.イノベーションが注目される時代背景
  • 2.イノベーション
  • 3.イノベーションの今日的事例
  • 4.イノベーションとコモディティ化
  • 5.イノベーションの不確実性
  • 6.イノベーションを促進するSECIモデル
  • 7.イノベーションのジレンマ
  • 8.イノベーション後進国となった日本
  • 9.イノベーション時代における企業経営
  • 10.起業家精神と家庭、学校教育
  • 11.新しい時代の経営学
第14章 人的資源管理論
  • 1.人の管理の歴史的変遷
  • 2.主要国の人事管理の特徴
  • 3.ジョブ型雇用
  • 4.メンバーシップ型雇用
  • 5.日本的経営の背景
  • 6.ハイブリット型雇用と新・日本的経営
  • 7.新・日本型経営と人的資源管理論
第15章 組織に関する諸理論
  • 1.人間による組織の理論(バーナードの組織論)
  • 2.人間の合理性の追求としての組織(限定された合理性)
  • 3.組織デザインに影響する要因
  • 4.コンティンジェンシー理論(状況適合理論)
  • 5.コンティンジェンシー理論への批判
第16章 多様性と持続可能性の視点で経営学を考える
  • 1.環境問題と企業の生産活動
  • 2.公害を解決する方法として考案された外部性の内部化
  • 3.環境と経済活動の両立
  • 4.社会的費用の算定
  • 5.エントロピー経済学
  • 6.定常経済論
  • 7.自然資源経済
  • 8.自然資源を新規に投入しないリサイクルによる経済発展
  • 9.多様性と持続可能性の経営
  • 10.自然の再生産機能への生産システムの適合
  • 11.労働者の社会的費用
  • 12.人間を幸福にする労働とは
  • 13.人間と自然資本とロボットによる多様性と持続可能性
資料編
  • 資料1 生産性 (p.15, p.31)
  • 資料2 (p.60)

  • 参照文献
  • あとがき
introduction
安藤信雄(あんどう のぶお)

中部学院大学教授。博士(経済学)。星稜女子短期大学准教授、中部学院大学経営学部教授を経て2020年より現職。その間、富山大学非常勤講師、金沢星稜大学非常勤講師、岐阜経済大学(現・岐阜協立大学)および大学院非常勤講師を兼任。
学会活動として日本協同組合学会理事、日本中小企業学会会員、日本経営学会会員、経営情報学会会員、組織学会会員、実践経営学会会員、日本体育・スポーツ経営学会会員。地域活動としてコープぎふ理事、地域と協同の研究センター理事、岐阜県各務原市まちづくり活動助成金審査委員(座長、至2020年)、岐阜県岐阜市中央卸売市場取引委員会(会長)、岐阜県可児市まちづくり助成事業審査委員を歴任。

【主な著書、訳書】

※発行時の奥付より
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