概要
summary
植林/再植林は、森林(マングローブや湿地を含む)が二酸化炭素やその他温室効果ガスの吸収/放出源となり得ることから、温暖化対策に関連する環境課題として考えられ始めている。特に、マングローブ植林や生態系管理は、地域的/全球的に、二酸化炭素の回収隔離や、その他温暖化ガスの放出制御対策のひとつとなり得るかもしれない。マングローブの植林/再植林活動は、大気からCO2を隔離して、生態系に有機炭素として貯蔵する効果的な方法であることから、温室効果緩和を含めた有効なマングローブ生態系の管理方法を導き出すために、CO2や有機炭素の収支やフラックスを評価することが必要である。特に、CH4とN2Oは通常湿地から放出されやすいことから、マングローブ生態系のCO2回収隔離効果に対するこれらの温室効果ガスの相殺効果を見極めるために、CH4 とN2Oの放出量の正確な評価は重要である。加えて、2002に批准された京都議定書で合意されたCDM (クリ-ン開発メカニズム)における植林による吸収源創出活動から発生する炭素クレジットを定量するために、マングローブ森林樹木と堆積物泥炭の炭素貯蔵量の正確な評価が必要である。また、マングローブ生態系管理や植林/再植林が、温室効果の緩和に定量的に有効であるとしても、これらの効果と併せて、他の環境影響緩和効果(防波護岸効果、富栄養化緩和効果、水産資源育成効果など)と総合して、最適な沿岸生態系管理方策の科学意的根拠を導き出す必要がある。
→英文の紹介ページはこちらを参照してください。
著者紹介
introduction
助成出版
grant
文科省・科学研究費成果公開促進費による助成出版
装丁
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