英語の起源と古低地ドイツ語 The Origin of English and the Old Low Germans

英語の起源と古低地ドイツ語

The Origin of English and the Old Low Germans

著|平林幹郎
定価3,143円(2,857円+税)
在庫:なし
仕様:A5判並製
ページ数:220
ISBN:978-4-434-12213-2
発行日:2009/04/16
summary
   

2世紀にデンマークのユトランド半島、および北ドイツに居住していたサクソン人、アンゲル人、フリジア人およびジュート人は、相互に礼拝交際共同社会を形成し、共通の言語的特徴を持っていた。やがて3~6世紀になるとブリテン島へ移住して、これら4民族の言語が基盤となって英語が形成された。その中心となる言語は古サクソン語である。write(書く)は古サクソン語および古フリジア語である。中世低地ドイツ語で書かれた北ドイツの多くの写本、およびデンマーク中世の写本の言語は驚くほど英語に似ている。本書はドイツの大学への留学をも含めて約10年に亘る著者の先駆的研究の成果である。

contents
  • はじめに
  • 凡 例
第一章 低地ドイツ語・高地ドイツ語言語史
  • 1. 西ゲルマン後言語史研究におけるドイツ語の重要性
  • 2. 新高ドイツ語と英語との明らかな親縁関係
  • 3. 西ゲルマン語言語史
  • 4. インド・ゲルマン語族(印欧語族)の祖語の再建-アオグスト・シュライヒャーの寓話『羊と馬』-
  • 5. 低地ドイツ語言語史-イングヴェオーネン特性、イストヴェオーネン特性、ヘルミノーネン特性-
  • 6. ゲルマン語、高知ドイツ語における子音推移
  • 7. Verner(フェルナー)の法則
  • 8. 古フリジア語に見られるイングヴェオーネン特性
第二章 古高ドイツ語と古ザクセン語
  • 1. 古高ドイツ語による『ヒルデブラントの歌』の言語の分析
  • 2. 古ザクセン語(古低地ドイツ語)による作品-Hêliand(救世主)とGenesis(創世記)の言語の分析-
第三章 中低ドイツ語写本集の言語と英語との類似性
  • 1. 中低ドイツ語の定義
  • 2. Reinke de Vos(『狐ラインケ』)の言語の分析
  • 3. ジュート人の写本集から:中期デンマーク語およびスカンジナヴィア語法による『若い婦人への教訓』の言語の分析
  • 4. スウェーデン・ストックホルム写本集から:『帆船』(De Segheler)の言語の分析
  • 5. 中低ドイツ語俗謡『作男ヘンネケ』の言語の分析
  • 6. 中低ドイツ語『レーデンティン版キリスト復活劇』写本(1464年)の言語の分析
  • 7. 『ザクセン世界年代記』(13世紀)(断片)の言語の分析
  • 8. 中低ドイツ語「ドラコーレ・ヴァイダ」写本の言語の分析
第四章 まとめ
  • 後 注
  • 参考図書目録
  • おわりに
  • 索 引
introduction
平林幹郎(ひらばやし みきお)

大東文化大学教授。専攻分野は英語学、言語学。2005年4月から1年間ドイツ連邦共和国(キール大学)哲学部ゲルマン語学科低地ドイツ語専門コースで主に中期低地ドイツ語テキスト研究、ゲルマン語言語史、古文字学を学ぶ。所属学会:日本英語学会、日本中世英語英文学会、日本音声学会、日本言語学会。

【主な著書】

※発行時の奥付より
binding
古ザクセン語入門

古ザクセン語入門

改訂第二版

  • 著|フェルディナント ホルトハウゼン
  • 訳|平林幹郎