土木環境数学Ⅱ

土木環境数学Ⅱ

時間と振動数・波数領域による定数係数の微分方程式と波動方程式の解法

著|原田隆典
著|本橋英樹
定価2,750円(2,500円+税)
在庫:あり
仕様:B5判並製
ページ数:173
ISBN:978-4-434-29468-6
発行日:2021/10/20
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summary
   

本書は、建設系学生や技術者のために、例題を使って1階と2階微分方程式、連立1階微分方程式(状態方程式)、波動方程式の時間領域と振動数・波数領域の解法を解説したものである。フーリエ変換は時空間領域と振動数・波数領域を繋ぐので、使い方と高速フーリエ変換を解説した。次に、ラプラス変換とフーリエ変換の関係や留数定理、また、各種微分方程式の数値計算法を整理した。構造物の免震と制震を例に、状態方程式の最適制御の基礎と数値計算例を示した。最後に、地震や外力による地盤振動の3次元と2次元問題の関係を例題とともに解説した。

contents
  • まえがき
  • 概要
    1. (1) 時間領域と振動数領域(フーリエ変換)
    2. (2) 微分方程式の時間領域と振動数領域の解法
第1章 典型的な定数係数の微分方程式
  • 1.1 外力を受ける1自由度振動モデルの運動方程式
第2章 1階微分方程式の解
  • 2.1 時間領域の解法
    1. (1) 同次方程式の解
      1. 2.1 補助記事1 同次方程式の解の仮定
  • (2) 非同次方程式の特解
  • (3) 非同次方程式の一般解と初期条件を満たす解
    1. 2.1 補助記事2 畳み込み積分(Convolution)の模式図による説明
    2. 2.1 補助記事3 指数関数のグラフと外力一定の時の解
  • 2.2 振動数領域の解法(フーリエ変換による方法)
    1. (1) フーリエ変換とその条件
    2. (2) ラプラス変換のアイデアとラプラス変換の概要
      1. 2.2 補助記事1 一般化フーリエ変換とラプラス変換の関係
    3. (3)の場合の解法
    4. (4)の場合
      1. 2.2 補助記事2 複素積分の留数定理
      2. 2.2 補助記事3 係数の正負で分けて解析しない1階微分方程式の振動数領域の解析
        (ラプラス変換のアイデアを使ったフーリエ変換:一般化フーリエ変換)
    5. (5) 時間領域と振動数領域の解のまとめ
      1. 2.2 補助記事4 離散フーリエ変換
第3章 2階微分方程式の解
  • 3.1 時間領域の解法
    1. (1) 同次方程式の解
    2. (2) 非同次方程式の特解
    3. (3) 一般解と初期条件を満たす解
  • 3.2 振動数領域の解法
    1. (1)の場合
    2. (2)の場合の振動数領域の解のまとめ
    3. (3)の場合
      1. 3.2 補助記事1 減衰定数零の単振動のフーリエ解析
        (ラプラス変換のアイデアを利用したフーリエ変換:一般化フーリエ変換)
      2. 3.2 補助記事2 単位衝撃力(Unit Impulse)による応答
        (時間領域と振動数領域の1階と2階の微分方程式の解)
  • 3.3 時間領域と振動数領域の単位衝撃力による応答(グリーン関数)と 任意外力による応答の関係
第4章 定数係数の連立1階微分方程式(状態方程式)
  • 4.1 概要
    1. (1) 定数係数の2階微分方程式
    2. (2) 定数行列係数の2階微分方程式
  • 4.2 同次方程式と非同次方程式の解の概要(時間領域)
  • 4.3 同次方程式の解
    1. (1) 固有値と固有ベクトル、固有行列と係数行列の対角化
    2. (2) 係数行列の対角化と対称行列の固有ベクトルの直交性
    3. (3) 一般解と初期条件を満たす解
  • 4.4 固有値と固有ベクトルに関する性質の整理と例題
  • 4.5 指数関数行列を使う解
    1. (1) 指数関数行列
      1. 4.5 補助記事1 指数関数行列の例題
    2. (2) 同次方程式の解
      1. 4.5 補助記事2 指数関数行列と差分方程式の関係
    3. (3) 非同次方程式の解
      1. 4.5 補助記事3 1自由度振動方程式の指数関数行列(伝達行列)
第5章 係数行列の固有値のみを使う伝達行列の計算
  • 5.1 ケーリー・ハミルトンの定理を使う方法
    1. (1) ケーリー・ハミルトンの定理
    2. (2) 無限級数和の伝達行列の有限級数和表現
    3. (3) 重根の無い場合の例題
    4. (4) 重根の有る場合の例題
      1. 5.1 補助記事1 ケーリー・ハミルトンの定理
  • 5.2 シルベスターの恒等式を使う方法
    1. (1) シルベスターの恒等式
      1. 5.2 補助記事1 振動方程式の解
  • 5.3 振動数領域の解
      1. 5.3 補助記事1  で零でないような場合の解
        (ラプラス変換のアイデアを使う方法:一般化フーリエ変換)
第6章 定数係数の高階微分方程式
  • 6.1 時間領域の解
    1. (1) 同次方程式の解
    2. (2) 非同次方程式の特解
  • 6.2 振動数領域の解
      1. 6.2 補助記事1 一般化フーリエ変化による2階微分方程式(振動方程式)の解
      2. 6.2 補助記事2 2階微分方程式(片持ち梁のたわみ曲線)
      3. 6.2 補助記事3 4階微分方程式(両端固定梁のたわみ曲線)
第7章 微分方程式の数値計算法
  • 7.1 1階微分方程式の数値解析法(ルンゲ・クッタ法)
  • 7.2 2階微分方程式の数値解析法(ルンゲ・クッタ法)
  • 7.3 2階微分方程式の数値解析法(Nigam・Jennings法)
  • 7.4 2階微分方程式の数値解析法(Newmarkの法を用いたCloughの増分法)
      1. 7.4 補助記事1 (テイラー展開とNewmarkの法)
      2. 7.4 補助記事2 4次精度のルンゲ・クッタ法とNewmarkの法の微分演算子と伝達演算子の関係による整理
      3. 7.4 補助記事3 一定外力を受ける振動方程式の差分法解と理論解
  • 7.5 連立1階微分方程式の数値解析法(直接積分法)
      1. 7.5 補助記事1 一定外力を受ける1自由度系の振動
      2. 7.5 補助記事2 一定外力を受ける1質点系の振動の数値計算例
第8章 構造物の免震と制震
  • 8.1 受動的免震・制震の考え方
    1. (1) 外力を受ける1質点系の免震・制震
    2. (2) 外力を受ける多質点系の制震
    3. (3) 受動的制震系の数値計算
      1. 8.1 補助記事1 地震動加速度を受ける1質点系の受動的免震・制震の計算例
  • 8.2 最適制震理論(外力の無い場合の時間に関する連続系の最適制震法)
      1. 8.2 補助記事1 スカラーの1階微分方程式の最適制震外力
      2. 8.2 補助記事2 評価関数の最小値とリカッチ方程式(ラグランジェの未定係数法)
  • 8.3 制震理論(外力の有る離散系の最適制震法)
      1. 8.3 補助記事1 外力を受ける離散化連立1階微分方程式の最適制震力とリカッチ方程式
      2. 8.3 補助記事2 外力の無い1自由度系の最適制震力と最適応答の数値計算例
      3. 8.3 補助記事3 正定値対称行列Pの計算のための繰り返し法
      4. 8.3 補助記事4 地震動を受ける1自由度振動系の最適応答と制震力
      5. 8.3 補助記事5 評価関数の最小値とリカッチ方程式
第9章 2次元と3次元フーリエ変換による波動方程式の一般解
  • 9.1 2次元波動方程式のSH波(面内問題)
    1. (1) SH波の波動方程式
    2. (2) 振動数・波数領域の解
      1. 9.1 補助記事1 波数・振動数の幾何学的意味とSnellの法則
    3. (3) 多層の要素剛性行列
    4. (4) 水平多層弾性体の全体の剛性方程式
    5. (5) 水平1層弾性体の地震波応答
  • 9.2 2次元波動方程式のP・SV波(面外問題)
    1. (1) P・SV波の波動方程式
    2. (2) 振動数・波数領域の解
    3. (3) 多層の要素剛性行列
    4. (4) 水平多層弾性体の全体の剛性方程式
  • 9.3 2次元と3次元波動方程式の関係(振動数・波数領域)
    1. (1) 3次元波動方程式
    2. (2) 振動数・波数領域の解
    3. (3) 調和平面波の特性と座標変換
    4. (4) 3次元波動方程式の解と2元波動方程式の解の関係
  • 参考文献
  • 索 引
introduction
原田隆典(はらだ たかのり)

宮崎大学名誉教授。山口県生まれ。1975年九州工業大学開発土木工学科卒業。1980年東京大学大学院工学研究科博士課程修了(土木工学専攻、工学博士)、宮崎大学助教授(工学部土木工学科)。1997年宮崎大学教授(工学部土木工学科)。2018年宮崎大学名誉教授。同年、宮崎大学発ベンチャー企業(株)地震工学研究開発センター技術顧問、現在に至る。

本橋英樹(もとはし ひでき、中国名:王宏沢〈おう こうたく〉)

(株)IABC地震・津波研究室取締役室長。中国遼寧省生まれ。2001年宮崎大学工学部土木環境工学科卒業。2006年宮崎大学大学院工学研究科博士後期課程修了(システム工学専攻、博士(工学))、(株)耐震解析研究所。2009年帰化。2011年宮崎大学発ベンチャー企業(株)地震工学研究開発センター主任研究員。2017年現在に至る。

※発行時の奥付より
grant

各種寄付金による出版。

binding
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