概要
summary
我々の時代は自由のある形式を発明したが、それを利用する仕方を発見できなかった。自由は火のようなものである。もしその制御を習得しなければ火事の炎で焼いてしまう。我々の同時代人は、自由の私的道徳、公的道徳を構成することができなかった。かれらは自由の享受を自由と混同した。だが、あらゆる享受は隷属の誘惑である。自由の作品のみが自由に属し、それのみが自由に意味を与えうる。作品なくして、つまり義務、犠牲、必要性なくして自由はない。自由のモラルなくして自由はない。原書名「La Liberté de notre temps」
目次
contents
- 序 文
第一章 自由と創造
- Ⅰ 古代的自由とキリスト教的自由
- Ⅱ ルソー、ヘーゲル、および新しい自由
- Ⅲ ニーチェと創造的自由
- Ⅳ 絶対的自由とその諸ユートピア
- 絶対的自由
- 「すべては許される」
- 創造性
- 極端への移行
- Ⅴ 価値の創造と自由
- 諸価値の創造の現象学と自由
- 諸価値の基礎と自由
- 現象学と主観性
- 倫理的、政治的諸価値の創造の現象学
第二章 自由と信仰
- Ⅰ 形而上学的人間学
- 現象学と形而上学
- 秩序と自由
- 社会性と共同体
- Ⅱ 政治的信条の必要性
- 全体主義とアナーキズムの二重の試練
- 自由主義の受けた試練
- 最小の政治的信条の観念
- Ⅲ 政治的聖
第三章 古典的寛容と現代の寛容
- Ⅰ 寛容の哲学的問題
- 哲学の多元主義と寛容
- 寛容の観念
- 寛容の政治的諸条件
- Ⅱ 寛容の古典的問題
- Ⅲ 寛容の近代的問題
- 世論とイデオロギー
- 自由主義的イデオロギーの試み
- Ⅳ リベルティスム
- リベルティスムの諸原理
- 「教育」
- 「信条」
- 「私−公」
- 結 論
- リベルティスムの諸原理
第四章 表現の自由と世論
- Ⅰ 表現の自由
- Ⅱ 世論の諸構造と表現の自由
- 公的普及の自由
- 政治的階級
- 知的カースト
- マスメディア
第五章 表現の自由、マスメディア、およびメレクラシー
- Ⅰ 個人的表現の自由とメレクラシー的体制
- 表現の自由によって提起された政治的諸問題
- デモクラシーの神話
- 事実上のメレクラシーの理論
- メレクラシーの変化
- Ⅱ 集合的表現の自由とメレクラシー的体制
- 集合的表現の自由
- メレクラシーにおける集合的表現の自由の使用に対して可能な二つの解決法
- メレクラシーにおけるマスメディアの使用
- 「義務論の試み」
- 「マスメディアの誘惑」
- 「信条への回帰」
- 後記 自由のモラルのために
- 訳者あとがき
著者・訳者紹介
introduction
装丁
binding